土を育てる.1回


土を育てる
NPO法人関東EM普及協会 名誉会長
(財)自然農法国際研究開発センター 元理事長
天野紀宜

はじめに

 

WHOによって、2000年に健康寿命という言葉が公表されました。健康寿命が最近話題になっています。健康で人生を全うしたいと言うことは、誰もが願うこです。
健康で人生を全うするためには、睡眠を含めた休養の取り方、運動、食事の在り方などの、生活習慣と、その人の生き方、他に遺伝に依るなどの要因があると思いますが、中でも、食べ物が健康に与える影響は大きなものがあります。

 食は、私たちが活動するエネルギー源であると同時に、食によって、60兆個とも言われる細胞が新陳代謝を繰り返し、私たちの身体は造られているのです。しかも、年齢や身体の臓器等での違いはありますが、私たちの体は、2年ぐらいでほとんどの細胞が入れ替わってしまいます。 食の善し悪しが私たちの健康に関わって居ることは間違い有りません。新陳代謝の早い子供の食には特に気をつけなければなりません。
自然農法の創始者、岡田茂吉は(以下創始者という)、土の健康が健康な作物を育て、健康な作物が私たちの健康を支えていると言っています。私たちの健康は、基を正せば、健康な土によって支えられていると言っても良いのです。

医学は長足の進歩を遂げていますが、病気はなくなることはありません。むしろ、癌や脳卒中などの生活習慣病やその予備軍の人々は増加していると言われています。このことは、慣行化学農業の普及によって世界中の多くの土壌が汚染されていることと、全く無関係とは言えないのではないのでしょうか。
私たちの生命、健康を支えている土壌と健康について考えて見たいと思います。その為に土壌の成り立ち、土壌に対する私たちの向き合い方等について考えてみたいと思います。



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