土を育てる5回


土を育てる
NPO法人関東EM普及協会 名誉会長
(財)自然農法国際研究開発センター 元理事長
天野紀宜
 第二章 土の働き

土の生い立ちと人間の関わり

 創始者は、「生態系を育んでいる太陽と水、土壌においても現在の科学で捉えることの出来る目に見えるものと、現在の科学では捉えることの出来ない目には見えないものが有る」という意味の事柄を説いています。太陽、水、土壌にも人間と同じように目に見えない霊と、目に見える体が有ると言っています。
太陽の体は、熱、光、元素である酸素であり、霊は未発見で火素と名付けています。火素については創始者の言葉を要約すれば、次のように言うことができます。「植物が、太陽の光を受けて、光量子をエネルギー転換して、生命活動に必要なATP(アデノシン三リン酸)に変えていくのですが、火素は、光量子より更に極微粒子で、物質科学では捉えることは出来ず、将来、生命科学が誕生してはじめてその存在を証明することが出来る」と。水の体は、水で有り元素である水素で、霊を水素と名付けています。土壌の体は、土で有り、元素で言う窒素で、霊は土素と名付けています。
 
全ての生き物は、太陽と水と土壌によって生成化育され、悠久の歳月をかけて今日の豊かな生態系を築き上げて来ました。その根本の力は、目に見えない火素、水素、土素が融合調和して生まれるXであると言っています。現在のところそのことを立証することは出来ませんが、創始者は、「そのXの力を最大限に引き出すのが真の農法で、その為には、土を清浄にすることと、愛情をかけることである」と述べています。
 
自然は一瞬の停滞もなく自立的に進歩発展していますが、唯一自然に能動的に関わることの出来る人間が、自然に正しく関わることによって自然はさらなる進歩発展を続けていくのです。
 人間は、土を清浄にし、土に愛情を掛けることによって、自然力Xを最大限に引き出し、山林や原野を、それぞれの作物を育てるのに最も適した圃場へと育てていくことが出来るのです。(土を清浄にすることと愛情を掛けることは、具体的には後述します。)


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