特集/EMでつくる家庭菜園
えむえむ関東68号より
=EMネット北関東発=
EMとの出会い家庭菜園から浄化槽へ
伊勢崎有機農業研究会 中華料理千里 栗原豊実
我が家の家庭菜園
 私とEMの出会いは、トマトです。私たちにトマトを食べさせてくれたのは、町内の上田裕吉氏です。そのトマトの美味なことが感動的でした。
 私は五年前、上田氏の指導により「EMボカシ」によるEM生ごみ堆肥を作り、家庭菜園を始めました。主にキュウリ、トマト、ナス、大根、アスパラ、パセリ等を栽培していますが、EM生ごみ堆肥を混ぜて土作りをして1ケ月程放置してから種を播きます。収穫した野菜は、軟らかく、野菜独特の香りで、とても美味しく頂いています。
 しかし、今回御紹介したいのは、ちょっと変わったEMの使用方法です。
 私は伊勢崎市郊外で、中華料理店を経営しています。環境に配慮するよう心掛けていますが、毎日出る鍋を洗った水、流しの雑排水、スープの残り、厨房の掃除等の汚水の放流が悩みの種でした。
 昨年七月、単独処理槽から合併浄化槽に設置替えを機に、何か良い方法がないかと考えていたところ、10月になって上田氏より、伊勢崎宮郷公民館で杉田教授によるEMW利用の「米のとぎ汁EM発酵液」の講演があることを知らされ、早速受講しました。
 杉田教授のお話をお聞きし、私たちにも環境にやさしい事業に協力できるのだと実感しました。そして、思い切って質問しました。
「発酵液で食用油の分解ができますか?」「有効である」とのことでした。それでは「合併浄化槽」の前にあるグリストラップの中に入れても大丈夫でしょうか」「大丈夫です」とのことでした。私は決意を新たに、早速上田氏に「EMW」の購入を依頼し「米のとぎ汁EM発酵液」の製造に取り組みました。
 11月より一日2Lペットボトルで毎日3本ずつ作り、厨房の清掃に1本、その後で流しと下水升に1本投入し続けました。又休前日には、グリストラップに2本投入しました。
 その結果、開始から3週間ほどで効果が現れ、3ケ月後には見ちがえるほどに分解されました。
 毎週休日には、グリストラップのゴミや油を取らなければならなかったのが月に1回の清掃で、ゴミや油の浄化槽への流入が防げる様になりました。6月の浄化槽定期点検でも良い結果がでました。
 EMWを使った「米のとぎ汁EM発酵液」により雑排水の減量で浄化槽への負担の軽減につながったと思います。ただ流せば河川を汚染しますが、発酵液にすれば、これだけ有効だと言う事をしみじみ実感しています。
「EMさん」ありがとう。
そして杉田教授に感謝しています。
米のとぎ汁EM発酵液熟成中 汚れや油がこびりつかなくなった
グリストラップ。掃除して10日目