特集 EMでつくる家庭菜園
えむえむ関東84号より
=EMネット北関東発=
蘇生型環境づくりはEM活用の家庭菜園で
群馬県高崎市 善玉菌をふやす会
青木純郎 山口益代 湯浅澄子
1.はじめに
善玉菌を増やす会の会員で和やかに
EMボカシ作りに取り組む
群馬県地域環境講座「生ごみ堆肥を活用した
野菜づくり」講習会
 EMとの始めての出会いは、今から25年前になります。ある会場で私(青木)が、「花と言葉」についての研究結果を皆さんにお話していたときの事、会場に来賓でおいでになった方が、私に「あなたにぜひ会わせたい方がおるから、ぜひ会っていただきたい。」・・・。その時(昭和61年5月頃)お会いさせていただいた方が、EMの発見者である、当時琉球大学に在職されていた比嘉照夫教授でした。
 私は、その頃、自然農法に大変興味を持っていました。それ以来EMに夢中になり、EMについては何も分からずEMを水で希釈して野菜や花などに散布したり、原液にトウモロコシの種子をつけてみたり、試行錯誤を重ねて、好気性菌と嫌気性菌の複合培養液という珍しい、不思議な微生物群の液体を使用、活用してきました。そのうち植木鉢に何の気なしに米ぬかをくれてみました。ところが植木鉢の米ぬかが白く変化するものと、まったく変化しないものと、二通りあることに気付きました。つまり土の上の米ぬかが白くなるのは、生きた土であることが分かりました。
 EMを核とした県内の活動は、群馬県では、平成3年ごろ前橋を中心として広がっていきました。EMを使ってEMボカシを作り、EM活性液を作ってこれを薄めて使用、EM活用して野菜や果樹などをつくる自然農法や、生ごみを資源にし、EMボカシを混ぜてぼかしあえをつくりこれを活用する「環境浄化群馬」という名称の環境団体が始めてできました。私(青木)は、「環境浄化群馬」の初代専任講師に委嘱され、平成4年には前橋グリーンドームで天野先生(現NPO法人関東EM普及協会名誉会長)をお呼びして会員の研修会を行ってきました。
 さて「善玉菌を増やす会」は平成12年に群馬県環境アドバイザー県幹事の私(青木)と2名の女性幹事と連携して立ち上げました。平成13年度群馬県地域環境学習講座、県民カレッジ認定講座に応募して、県より20万円の補助金をいただきました。高崎市、安中市、富岡市・松井田町の後援をいただきながら地域環境講座の開催などの活動を開始しました。湯浅、山口さんは、姉の高橋らんさんの影響で、お二人がこの頃会の行事に参加しました。それから7年後、私たちが食の自給率や食の安心安全という課題にしっかり向き合わなくてはという事になりました。
 
2. 家庭菜園第一歩 
 地域環境学習講座に参加した当初は、「EMってなに?」EMの名前の意味も分からない私(山口)でした。平成13年地域環境学習で、最初にEMボカシ作りに参加した時も疑いながらEMについて学習を継続していました。「善玉菌を増やす会」に入会して3〜4年位野菜を作り続けて行くうちに「これがEMボカシ効果なのかなー」 という認識を持てるようになりました。それは、野菜本来の味になってきたからです。EM農法で作った大根、ジャガイモ、里芋などは、甘味があることです。玉ネギは、生で食べても軟らかくて甘くておいしいです。葉物は、色は縁が濃くやわらかくておいしいです。そして現在は、5〜6割位は納得いく野菜が出来るようになりました。
 私の一番の励みと嬉しいことは、家族に喜んでもらえることです。また、近所の人やサークルの友達に差し上げた時に、「山口さんの作った野菜はおいしいよ」と食べて頂くことです。まだ、まだEMの事については、深く広く限りない効力を探求しながら勉強していきたいと思っております。
山口・湯浅農園・青木菜園の野菜や果樹や収穫物などの一部を紹介させていただきます。
山口菜園のおいしい玉ネギ 山口菜園のおいしいキャベツ・ツミナ 湯浅菜園のブロッコリー畑
湯浅菜園のブロッコリー 湯浅菜園の甘夏ミカン 湯浅農園の花栽培 スイセン
青木菜園の中玉トマト
 さて、EMと家庭菜園で私たちの会員には、「自分の吸う酸素は自分で作れ」と私(青木)は皆さんにお願いしています。
 その具体的な取り組みは、ケナフの種を一人180粒植えて育てることです。
 ケナフは、昔はミイラを包んだそうですが、普通植物の6倍の気孔数を持ち地球上に普通植物の6倍の酸素を提供できます。また、6倍の二酸化炭素を吸収し、このことが、温暖化をストップする手助けになります。1年で木になり、土に簡単に還り、水も空気もきれいにし、炭にして土に戻せば善玉菌の住処にもなる環境浄化植物です。ぜひ皆さんも植えてください。
 いま世界の熱帯雨林が減少し、酸性雨で針葉樹林等が、枯れてしまい大変な環境です。私たち人類の母親である地球が、大変な病に侵されています。その事は地球温暖化やオゾンホールの拡大によって有害紫外線の増大、さらに酸性雨によって水・土壌や作物が、酸性化し、そのために人間の体が酸性に傾き、そのためにガン体質になり悪玉菌が付きやすく病気になりやすい環境になりだしました。
 例えば雨が降った後高崎市貝沢町や弓町で6月頃測定した値はpH4.0 pH3.6と酢の雨が降下しています。さらに、酸性雨の影響でミミズが大量に死んでいます。EMをたくさん撒いたり、EMボカシあえをたくさん入れていくと土壌は蘇生型の団粒土壌に変わってきますが、ミミズも赤い大きいミミズが大量にわいてきます。
 抗酸化物質であるEMがこのような悪い環境から私たちを守ってくれると信じています。EMを活用した農法は、私たちを守るために生まれてきた農法であります。ですから私たちがEMに出会えたことに感謝しなくてはならないと私は、思っております。
 また、有害紫外線は、私たちに照射して皮膚がんや白内障の体質にします。カボチャは、太陽によって焦がされ傷をつくります。EMをかけると傷を治すための自己修復するはたらきが出てきます。
  このように私たちは、安全な太陽から危険な太陽に変化してしまった光線の被害に出来るだけ遭わないようにしてゆきたいものです。
 さて、話はもとに戻りますが、私たち三名は、自然農法菜園アドバイザーの講習会に参加して資格を取得しようという事になり、平成19年9月から、千葉県我孫子市で開催された講習会に参加しました。そして、お互いに励ましあい試験合格を目指しての勉強会を継続しました。平成20年1月に試験を受けた結果、湯浅・山口・青木の3名が全員昨年4月に、自然農法菜園アドバイザーに合格認定されました。そしてこれからさらに、お互いの自給菜園活動を積極的に取り組んで行こうということになりました。
 今後、食の安心・安全や、食糧の自給率をアップすることは、国や国民に課せられた大きな課題であり、何としても国や国民の総意で英知を出しこれらの諸課題を早急に解決しなければなりません。
 現在、国の食糧自給率は38%、群馬県は34%、高崎市は20%弱です。私達の住んでいる高崎市では、昨年から自給率を50%まで上げるように早急に取り組んで行く農業政策プランを立案し、具体的な施策を講じて行くことになりました。私たち自然農法菜園アドバイザーの三人は協力して今後も、食の安心・安全に向かって取り組んでゆくつもりです。

3.今後の課題と展望
 EM活用した自然農法は自然を尊重し、土の偉力を発揮させ、土に愛情をかけ、その結果作物の収穫量を増やす事ができます。味はまろやかで、甘味があり、抗酸化力の高い作物を作る事ができます。作る張り合いと喜びがあり私たちの健康を守るまさに安心安全の食べ物を作る理想の農法です。
 しかし、地球環境は悪化し、温暖化の影響で生物の生態系に異変が起こっています。さらに有害紫外線の危険にさらされ、酸性雨の影響で野菜や果樹や水が酸性化しそのため腐りやすく、悪玉菌が増え易い環境になってきました。私たちは、蘇生型の環境作りをどんどん推進し、今後も皆様のために、笑顔でEM野菜や果樹や花など栽培していきたいと思っています。
 そのための第一歩が、EMと家庭菜園に取り組むことです。
 
 (文責 青木・湯浅・山口)