特集 EMでつくる家庭菜園
えむえむ関東84号より
=EMネット茨城発=
拡がる家庭菜園の輪
EMネット茨城 吉澤昇
1.代々引き継がれるEMボカシ 
 EMネット茨城では家庭菜園班、環境班、水稲班の3班に編制されています。私は家庭菜園班に属しております。ひたちなか市には「エコカレッジひたちなか」「田彦EM有機の会」の2つの環境グループがあります。
 「エコカレッジひたちなか」は茨城県の環境講座を受講したひたちなか市に住んでいる人の集まりで、平成15年に立ち上げたグループです。平成16年にEMに関心を持ち、EMボカシを作り始めました。
 ひたちなか市内の田彦コミュニティーセンターにおいて、EMボカシ作りの講習会を「エコカレッジひたちなか」で担当しました。「田彦EM有機の会」はこの受講生で平成17年に組織されました。当初は10名程度で発足したのですが、口コミで入会者が増え、現在は25名に成長して活発に活動しております。                                                         
 平成20年には再び田彦コミュニティーセンターでEMボカシ作り講習会を実施し、「田彦EM有機の会」が展示等の支援を行い、70人が集まりました。
 平成21年5月には、27人が参加してEMボカシ合同作成会を実施しますが、「田彦EM有機の会」のメンバーから相談員として数名が加わることになっております。
 親から子、子から孫ではないですが、EMボカシ作りは代々受け継がれていきます。


田彦EM有機の会の
共同ボカシ作り

70人の受講者がありました。
講習する筆者
講習するメンバー

2.家庭菜園班の勉強会
 EMネット茨城の家庭菜園班では、年に3回の勉強会を行っております。関東EM普及協会に講師の派遣をお願いしております。
 室内の講習会の他、現地において土壌や作物の発育状況を現場指導で講習を受け印象を深くして効果を上げております。
 また、千葉県我孫子市において数十名を集めて有機栽培教室を開いておられる「むそう塾」を訪れ、研修を積んでおります。
 「むそう塾」では、長年EMに親しんで有機栽培を実践されてきた塾長玉根氏の蘊蓄を拝聴し、多方面から助成を受けながら堆肥作りし、塾を運営して有機栽培を広めようとする熱意を頂いております。
 これらの勉強会は家庭菜園班の会報誌「サルーン」で参加者できなかった班員に伝えたり、班員以外の希望者にも配布しております。

講習会のようす 会員の菜園で検土杖を使って土壌調査 むそう塾で塾長玉根氏の説明をきく

    
3.作品の展示
 平成20年11月、田彦公民館のコミセン祭りには公民館利用者団体の一員として作品展示会に出展しました。
 会員のF女史は3年前ニンニクを栽培して、肥料分が少ないためか虫がついたり小さい実にしか育たなかったのですが、EMに出会い、EM生ごみ発酵肥料を2回に亘り鋤込み、定植後にもEMボカシU型を追肥したところ粒の大きい立派なニンニクが収穫することが出来、広く紹介したいと思い立ち展示に踏み切りました。質問者が多く展示してよかったと述懐していました。

4.行政への働きかけ
 
生ごみリサイクルの施策すすめるように、
ひたちなか市長、部課長に
プレゼンテーションしました
ひたちなか市では、従来から生ごみ処理容器の半額助成は実施されておりますが、更に、生ごみの堆肥化・リサイクルの施策を進めるようにと、平成20年7月市長初め部長・課長に対して「生ごみは資源!」のプレゼンテーションを行いました。
 プレゼンテーションでは、生ごみは燃やさないでリサイクルするように広報しましょう、EM生ごみの堆肥化を促進するためにはEMボカシ作成の講習会を行いましょう、市が貸し農園の仲介をして下さい、EM密閉容器を使用するモニターを募集して体験者を増やしてはどうでしょう、生ごみを燃さないことによって焼却費が削減できます、ということを強調して提言しました。
 早速、平成21年3月に市では農家に貸し農園を募り、市の広報誌に貸し農園利用者募集案内を掲載致しました。

5.これからの展望
 私達のひたちなか市内で、EMボカシを話題にすると「私も使っている」という声があちらこちらから聞こえてきます。平成20年度に市内の2千5百世帯程度のコミュニティ地区でEMボカシ作り講習会を7月に実施しましたところ70名、10月に生ごみ堆肥の作り方・使い方講習会を実施したところ18名の参加があり、合同作成会実施の呼びかけには27名の希望者の申し出でがありました。また、隣接する公民館から、公民館の主催事業でEMボカシ作り講習会を開催したいので講師を、という依頼があり調整中です。
 このように生ごみを出さないようにしたい、自前で有機野菜を作って食べたいと考えている人は大勢埋もれていると考えられますから、市内の多くのコミュニティに声を掛けて、EMボカシの講習会を開催していきたいと思っております。
 また、EMボカシT型は肥料だと考えている人が多く見受けられますので、失敗のないEM利用のため愛好者を組織化して、EM生ごみ発酵肥料の使い方についてのアフターケアーに努力をしていきたいと思っております。