特集 EMと家庭菜園
えむえむ関東101号より
=EMネット栃木発=
    生ごみ堆肥化から家庭菜園、そして野菜販売へと                   

                  NPO法人足利水土里探偵団 事務局長 中庭 三夫               

 

 
 取れたて野菜販売で賑わう
NPO法人足利水土里探偵団
エコサロンビル
 街中の空き店舗を改装した足利水土里探偵団の「事務所兼店舗 通称エコサロンビル」では、朝10時に採れたての野菜がずらりと並ぶ。「EM栽培の野菜 売り切れ御免」の看板に、なじみのお客様が待ち構えるように買って帰る。そして、生産者と街中の購入者が互いに作柄のこと、調理のことなどひと時のやりとりがある。日曜祭日と水曜日を除く毎朝の風景だ。おいしい野菜の評判は、行政や商工会議所の季節ごとのまちおこしイベント会場への参加要請も数年の恒例行事となっている。
 
NPO法人足利水土里探偵団での私の活動は、家の前に道路を挟んだ無耕作の畑に、せがれがやらないからと除草剤を散布していた老夫婦に、家庭菜園をやりたいと申し出てから、仲間70名となり今年28年目になる。
 農家から土づくりの大切さを聞くが具体的な手ほどきがない。教わるほうも現役世代で時間もなく忙しく対応するから仕方ない。10年ほど経た平成5年、友人からの勧めで「地球を救う大変革」と出会う。土づくりの大切さは微生物にあると。そして、EMは水も空気も浄化するとある。現役のときだったので環境問題に結びつけた活動を勤務先の足利市での活動を決めた。私の住まいは群馬県の太田市。隣接する足利市には車で30分ほど。EMを活用して家庭の台所からの浄化活動が進めば渡良瀬川もきれいになると。


   
 平成7年から行政もEM生ごみ堆肥化容器に
3/2の補助金をつけて推進
 愛菜園での野菜づくり
行政や市議の知り合いに働きかけ、EM活用による生ごみ堆肥化の普及活動から取り組んだ。行政もEM生ごみ堆肥化容器に3/2の補助金をつけて支援してくれた。足利商工会議所も活動組織づくりから事務局まで。さらに、生ごみ堆肥化容器販売のダイレクトメール1万枚配ると、一か月に180個の販売など積極的に我々の活動を支援してくれた。
 市街地から参加する人からは生ごみを活用した家庭菜園づくりの希望も出て、知り合いの支援で畑を借り「愛菜園」の看板を立て南北2ケ所でスタートした。生ごみ堆肥化に必要なEMボカシはEMボカシネットワークの支援を得て、市内の授産施設で生産し商工会議所で販売する形が整った。
 
 
境学習の指導 家庭からの生ごみも堆肥化
ゴミ0と花いっぱい運動 
次世代にも知ってもらおうと、公立の小中校では環境学習の中に生ごみ堆肥化を組み入れてもらい、子供からお母さんへ普及が伝わることも期待した。
 こうして、いろいろな角度からの動きに、当時は賛同して集まる人も多く順調に推進した。しかし、生ごみは収集してくれる楽な方向に少しづつ戻ってしまう。そうした中でも、生ごみ堆肥を家庭菜園に結びつけて行動した人たちは、自慢の野菜収穫に自信を得て仲間を増やすなど元気集団になっている。
 平成16年から足利水土里探偵団の、「事務所兼店舗 通称エコサロンビル」では、朝10時に採れたての野菜がずらりと並ぶようになった。
 生ごみ堆肥化から家庭菜園、そして野菜販売へと見える形の循環も充実しつつある。組織活動が始まった、平成7年当時のEM講演会には、当時の関東EM普及協会の天野宜紀理事長はじめ多くの皆さんの支援を受けて現在に至っていることを改めて認識し感謝する次第です。「節から芽が出る」と言われる。一つの活動も幾つかの「節」を経て今がある。昨年、EMネット栃木が誕生した。この節目に足利のこの生ごみ堆肥化から家庭菜園活動も栃木県各地のみなさんと共有できる事例になればありがたいことです。



  循環型社会づくりの実践EMによる大豆栽培から味噌づくりまで
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