特集 EMでつなぐ環境活動と福祉

掲載記事:「えむえむ関東48号」より
=EMネット茨城発

EMで大きく世界が広がった!光風荘で活躍するEM  
常陸青山会 盲重複障害者施設 光風荘 中根礼子

写真1 EMボカシづくりの風景

写真2 牛乳パック3杯で大体一袋分になります

写真3 きめられた手順で袋づめ
 『赤ちゃんボカシ、早く大きくな―れ』と言いながら楽しそうにボカシ作りをしているY子さん。その横では、米ぬかを計量器で量っているKさん。皆それぞれ役割をこなしながら楽しそうに作業をしています。
 茨城県石岡市にある、視覚障害と知的障害を併わせ持つ盲重複障害者が入所している『光風荘』では、EMボカシ作りを始めて9年になります。当時は盲重複障害者の作業に関して、利用者が出来る作業内容や職員の検品工程の多さ、不況での作業服の減少等の問題を抱えていました。安定した作業がないかということで探していたところ、EMネットワークに加入されている鈴木せつ子理事からEMボカシ作りを勧められました。

 EMボカシ作りの工程の中で、米ぬかともみ殻・EMを混ぜ合わせる作業は、盲重複障害者にも簡単に取り組める作業でした。利点として、第一に作業工程の広さです。工程は手や指先の訓練にもつながり、また軽度の利用者には、計量や袋詰め・値札のシール貼りなど、いろいろな作業工程がありそれぞれの能力を活かせる作業内容となりました。第二に、地域へのアピ一ルです。柏原工業団地の一角にある施設は、石岡の市民でさえその存在を知らない人が多く、地域の方々に施設をアピールし、理解してもらえる事はないかと考えていた私たちにとって、EMボカシ作りはそれも可能になると、早速取り入れることにしました。EM緑の会の方々の協力のもと作り方・作業台の工夫、販売方法と職員も試行錯誤で行ってきました。
 受注作業は、作業量・期日等のノルマがあまた景気にも左右され仕事にばらつきがあましたが、EMは、こちらのカリキュラムに合わせた内容を行うことができ、一入一人が積極性を持ち自主的に作業をするようになりました。

写真4 来客したかたへのEM製品を展示紹介

写真5
アメリカンパトロールで来訪を歓迎していただきました。演奏中山勝也さん
 現在では、市役所3か所の公民館での無人販売、福祉の店・地域の商店で販売させていただき、受注作業の収益金を上回り、40万円を越える収益になっています。
 EMを始めての変化はそれだけではありません。地域の方々が直接ボカシを施設に買いに来て下さり、地域の方々に施設を知って頂く良い機会となりました。また、EM関係の方々の見学・他の施設の職員の方々の見学と、いろいろな人々が施設を訪問してくれるようになりました。外部の人々とかかわる機会の少ない利用者にとっての見学者とのふれあいはとても楽しみのようです。EMボカシの作り方を得意気に説明する利用者、見学者の隣で二コニコしながらボカシを混ぜ合わせる利用者、皆それぞれが生き生きしています。
 昨年7月には、アリゾナ州立盲聾唖学校の教員シンディー・ザカグ二二さん他の方が見学に来荘された時には、十数年前に盲学校で習った英語で、『マイ ネイム イズOO子』『ハウ ア ユー?』と積極的に話し掛けるなどいつもと違う一面を見ることができました。これもEM効果だと思います。
 また当施設では今年10月に新しい施設がオープンすることになっており増員するに当たって老朽化した浄化槽を約3年前に新しい物に作り直しました。しかしその浄化槽は、汚泥が溜まりやすい構造になっているらしく1ケ月半から2ヶ月に1回に汚泥引き抜きをしなければならないということでした。その費用は1回約10万円。これでは経費がかかり過ぎると思案していました。そこでEMの研修で学んだ、米のとぎ汁EM発酵液で汚泥を減少させる事はできないか?と相談したところ、さっそく、EM研究機構の職員が指導に来て下さり、1日10Lの米のとぎ汁EM発酵液を流すことにしてみました。
 7個の生ごみリサイクルバケツを用意し、毎日1個分の米のとぎ汁EM発酵液を厨房で作ってもらいました。1週間発酵させたものを、排水口にポタポタと落ちるようにバケツのコックを調節して流してみました。また、入浴日と入浴の無い日では、浄化槽への排水量が違うため排水する時間をずらし、排水量を一定量にするなどの工夫をしました。浄化槽を管理している業者の方にも理解と協力を求め、約2年経過した現在では、年6回以上だった引き抜き作業は、1回になりました。費用削減になつただけでなく、厨房職員からは、排水口からの嫌な匂いが消えた、汚れがつかなくなったなどの声が聞かれるようになりました。
 EMに関わった9年間の中で施設・利用者が得たものは、ボカシを作るという工程から施設整備や地域との交流へと広がりました。
 今後もEMを通し、更に地域及びそこに共存する施設・利用者がより豊かになるよう、取り組んで行きたいと思います。
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