特集 環境教育
「えむえむ関東96号」より
=EMネットちば=
小学校のプール清掃と池の浄化報告
環境美化を進める共生の会 代表 野牧 昌弘

富里市は千葉県の北総台地のほぼ中央に位置しており、都心から約50~60km圏、成田空港からは西に約4kmに位置しています。
また、江戸時代から現代に引き継がれた馬の生産・育成が盛んで、農産物は富里スイカが有名な、歴史ある自然豊かな地域です。
 「環境美化を進める共生の会」は、メンバーに元教員がいた縁で、これまでも市内中学校などで環境教育のお手伝いをしてきましたが、今回は、富里市立根木名小学校でのプール清掃と池の浄化活動について報告します。
根木名小学校は、高度経済成長期の人口増加に伴い開校した学校で、現在は各学年40人前後です。
自然に囲まれた立地を生かし、近くの根木名川でメダカの観察や、田植え体験など環境学習が盛んな学校です。
平成16年9月から、校長・教頭の許可を得て米のとぎ汁EM発酵液のプールへの投入を開始しました。
翌年平成17年4月に、科学部の児童と教諭で、米のとぎ汁EM発酵液150ℓを投入、同9月には児童たちが自発的に用意した米のとぎ汁EM発酵液150ℓを投入するようになりました。(以後毎年2回ずつの投入量は別表のとおり)
  別表    プール投入量
   米のとぎ汁
EM発酵液(ℓ)
EM活性液(ℓ) 
H16 9月   300  
 H17 4月  150  
    9月  150  
 H18 4月  150  
    9月  150  
 H19 4月  70  80
    9月  70  80
  H20 4月  70  80
    9月  70  80
 H21 4月  30  120
     9月  30  120
 H22 4月  50  100
    9月  70  80
                               

平成18年5月のプール清掃時に、排水が少し良くなったと報告をいただきました。
それまでは金曜日に排水口を開け、月曜日に清掃する時に、まだプールの水が抜けておらずバケツリレーで水を汲み上げる必要があったのに、今回はその必要が無かったということでした。
 3年目、平成19年4月から、米のとぎ汁EM発酵液を150ℓを米のとぎ汁EM発酵液70ℓとEM活性液80ℓにかえて投入するようになり、更に排水が良くなり清掃もしやすく、汚れが落ちやすくヘドロもサラサラになってきました。
 これはEM活性液の効果でしょうか?しかし児童の各家庭で出る、米のとぎ汁をEM発酵させて持ち寄れれば、それは良い体験学習となり、環境メリットも高いと言えるでしょう。

以前のプール清掃は、5年生2時間、6年生2時間で2~3日かかっていましたが、今では5・6年生一緒になって2時間、1日で終わります。
EMによるプール清掃は現在も続いています。


同校の観察池は、6㎡で平成17年から米のとぎ汁EM発酵液を、月5ℓを1回程度投入してきました。
池は濁っていて、大きな鯉が泳ぐと底から濁ってくる状態でした。
平成19年には、「2週間に一度、5ℓの米のとぎ汁EM発酵液を投入すれば効果がある」と聞いたので、実行してみましたが、少しずつは綺麗になるものの、すっきりとはなりません。
さらに平成22年は猛暑の為、7月に水面全体が緑色になり、試しに米のとぎ汁EM発酵液を3?にし、EM活性液2?を入れてみました。
その組み合わせで2回投入してみたところ、水面の緑が消え、二日後には校長先生が、池がきれいになったことにびっくりして声をかけて下さいました。
まだまだ暑い9月の新学期に、池の底が見えて本当に透き通って見えたのです。
その後2週間ほどで池の底にアオコのようなものが発生したので、EM活性液を2㍑だけ投入し様子を見たところ消えました。
水面がきれいになりすぎるとアオコのようなものが発生すると聞いていましたが、その通りでした。
今は毎月1回程度で、EM活性液1ℓと米のとぎ汁EM発酵液2ℓを、池の様子を見ながら投入しています。
 
 
 平成11年にはじまった富里市「いきいきワクワク講座」。地域に根ざし、地域に開かれた学校づくりを目的に開設されました。「環境美化を進める共生の会」では、開設以来市内の富里市立南中学校など市内の小中学校で「生ごみリサイクルと水の浄化」「EM石けん作り」「竹炭講座」の講座を担当しています。「いきいきワクワク講座」は毎年2回開かれています。環境に配慮した学校づくりや、実践力を養う体験学習が続けられています。
   
   

 写真説明


富里市立南中学校でのEM廃油石けんづくり
中学生が講師になって夏休み子ども環境教室
同中学校でのEMボカシづくり