特集 環境教育
「えむえむ関東104号」より
=EMネット埼京=
生涯学習カレッジでEMの実践講座
~北埼のEM空白地帯への普及をめざす~!
特定非営利活動法人EMネット北埼理事長  渡邉修男


加須市メモ
加須市(平成22年3月23日、1市3町合併:旧加須市及び北埼玉郡:騎西町、大利根町、北川辺町)は人口11万7千人、面積133.47㎡、埼玉県の東北部に位置し県内有数の穀倉地帯。東京50㎞圏にあり、東北道が通り加須IC周辺は工場、流通倉庫が立ち並ぶ。またラムサール条約湿地登録の渡良瀬遊水地や、利根川に沿って東京ディズニーリゾート方面までツーリングできるサイクリングコースが整備されている。当市は焼却灰の処分に係り、ゴミのリサイクルで減量化を図り、リサイクル率40%を当面の目標とし本腰を入れる。水と緑と文化の調和した元気都市をめざす。 
生涯学習カレッジでEМの実践講座

平成23年に加須市生涯学習課の講座に応募、EM講座を担当することができ、本年で第2回目となります。
受講者はEMに関心ある方や家庭菜園、お花を栽培している方、環境問題に関心があり、まず身近な生ごみリサイクルに取り組もうとしている市内にお住まいの方々です。
今年は1講座ふえて3講座、各2時間の講座です。広報での応募が29名ありましたが、会場の都合でやむなく21名とさせて頂いたと聞いています。徐々にですが関心度が上向き傾向です。
講座その1  EМボカシの作り方 
講座その2  EМ実践農家現地見学会 、 イチジク、梨、ブル ーベリーなど
講座その3  手作り石けん、キャンドル作り

では講座の内その1、2の概要を紹介します。

講座その1
~EMボカシの作り方の実践~

EMネット北埼からは古澤、石川、下河邊、鈴木の4名が参加し、指導と参加者へのサポートを行いました。まずEM1、EMW、糖蜜の実物、その匂い、味を感じてもらいEMとは?の説明。さらにEMボカシの完成見本品の色、匂い若しくは臭いを各人に体感してもらいながら、2班に分かれてブルーシートを机の上に敷いてEMボカシ作りの開始。
米ヌカ21kg、籾殻1kg、テラCを200g、EM活性液4.2㍑程を用意します。
籾殻に活性液を十分に混ぜ、プラスチックとろ舟の中で、揉み手で十分混ぜ合わせ、一握りした水分量、そのしっとり加減を体感してもらい、持参した保存パックにトントンとふっくら詰め、最後にギュッと詰めて密封、約3カ月後に完成予定です。
最近はコイン精米機の米ヌカが自由に手に入らない、籾殻やEМ資材の入手方法がわからないなどの相談も多くあり、EМネット北埼では皆さんのご要望に答えるようにしています。
(EMネット北埼 ℡0480-73-0262)  
 
 地域の小学校のEMによるプール清掃を支援しています。
平成9年からEMによるプール清掃に取り組んでいます。
加須市や久喜市の小中学校8校が参加・実施しました

講座その2
EM実践農家現地見学会

旧騎西町の種足(たなだれ)地域は梨、イチジク、イチゴ、米等の栽培が盛んです。その中でもイチジク(桝井ドーフィン)は県内でも生産量トップで、味、品質とも自信を持って生産しています。
そのイチジクは、渡邉理事長自らEM有機栽培を提唱実践し、圃場10a当り換算5000㎏の生産高を実現、実証し、そのノウハウを開示、普及し、近隣農家のイチジク、梨、米、野菜等の品質、生産性向上に貢献しています。
 
そこで見学農家のみなさん方を紹介します。
数ある梨、イチジク農家の一軒、鈴木昭二さんはEMボカシを自家生産、施用し、またEM活性液の葉面散布を梨、イチジクに行っています。更にコシヒカリ系新品種「ヒカリ新世紀」にもEMボカシを利用、良食味米の言葉通り、ご飯を試食すると甘みがあり食感は良好です。
   イチジクのメモ
騎西地域の平成23年の生産量は約62トンで県内1位、
80年代田んぼの転作作物としてイチジクが奨励された。
収穫のピークは9月で、11月初旬まで、出荷先は県内。
成長途上の新品種「彩玉」(平成24年7月4日)
   梨のメモ
騎西地域では約40haで栽培され、幸水、豊水、新高
また県が開発した彩玉、あきづきも生産されている。 

また栗原敏男さんは、幸水、あきづきなどを約30aで栽培し、その一部で新品種「彩玉」圃場(10a)にEMボカシを試行し、今年で3年目になります。梨の葉は小ぶりで厚みがあり、また糖度も13度と良好で、大玉(約700g前後、大きいものは約1kg)の彩玉は夏季の贈答用としてたいへん喜ばれています。
   ブルーベリーEМ栽培圃場データ 
面積10a、畑地は砂質、水はけ良好、外周にクローバ
EМボカシⅡ型 350㎏  EМネット北埼より資材協力
ピートモス    2800㎏  ホームセンターより購入
EМ腐葉土    6.7m3  騎西シルバー人材より購入
微粉硫黄    160㎏  JAより購入
モミガラ       70m3  近隣農家より調達

ブルーベリーは眼に良い、抗酸化の働きがあり老化防止に役立つなど健康果実として注目されています。飽食の時代から健康志向へと意識が変化しており、安心安全な農産物を求めるようになり、農業もこの流れに応じる農産品の品質、品揃えが必要になってきます。EMで育てたブルーベリーはその一つで、消費者の要望に沿える機能性食品であると考えます。
今回、EMを活用した実証栽培試験地として、新規参入の古澤事務局長の圃場で開始しました。昨年11中旬に3年もの苗木260本の定植を完了し、今年の秋に30本追加定植の予定です。また防風ネット、防鳥ネット施設を整え、灌水(水やり)設備を夏本番までに準備します。EMでどこまで品質を向上させることができるか、販売の差別化を図れるかの試みです。
 
度重なる西風にも耐え、カモミール鉢植を6か所に配置した結果、害虫被害も少なく、平成24年6月中旬、早生ハイブッシュ系ネルソン、エチョータなどの甘酸っぱい初成り果実を少量ですが、収穫済です。ハイブッシュ系7種類、ラビットア系8種類、早生、中手、晩生品種という構成で、収穫は6月中旬から8月下旬頃まで。目標収量は成木で10a当たり1000㎏です。今回収穫のハイブッシュ系果実の重さ平均2g程度、直径15㎜~20㎜程。また7月中旬頃からラビットアイ系の収穫が始まります。
 今後も雑草達を友とし堆肥化、EМ活性液+EM3を葉面散布、EMボカシを施用しながら、無農薬、無化学肥料で安心安全なブルーベリーのEM栽培を鋭意すすめるということです。