特集 生ごみの有効利用とEM  
「えむえむ関東66号」より
=EMネット千葉=

事業系生ごみの悪臭対策にEM  印西市 (有)総合環境サービス
EMエコインストラクター 盛田正樹
 大手コンビニのセブン−イレブン・ジャパンでは、生ごみは業者に委託して回収し、工場で堆肥化したり、堆肥より高い価格の養豚用の飼料として再利用したりしています。今年度はゴミ再利用率を30%超の目標を掲げています。
また、ファミリーレストランでは、首都圏内の店舗の調理用の材料を全て調理工場で加工し、まとめてリサイクルをすることにより、生ごみの発生を抑え、更に自前のリサイクルプラントで乾燥・粉砕処理をし、肥料業者に販売するという理想的な生ごみ再利用を図っています。
 2001年5月に施行された「食品リサイクル法」は、外食産業や食品関連業者に対し、今年2006年5月までに食品廃棄物の削減・再生利用率を20%と義務付けています。
 そして年間100t以上の食品廃棄物を発生させる事業者に対し、基準(20%)を満たさないと氏名公表や罰金が適用されます。
 
印西市にある(有)総合環境サービスは、大手スーパーやコンビニから毎日約1tも出る、賞味期限切れの弁当・パン・惣菜類などの調理残渣や一般廃棄物の収集運搬及び処理業務を約30年前から業とする専門業者ですが、処理費用のうち生ごみの焼却費用の割合が最も多く、生ごみの処理費用をいかに減らすかが重要課題となっています。
7年前に幕張で開催された環境展で、ある企業の「菌体飼肥料製造機」に注目し、この機械を2年前に導入、生ごみを飼料用に加工し、養鶏をやったり肥料への利用を試みましたが、全ての生ごみを飼料として処理することは難しく、肥料として発酵させるにも夏場の臭いや処理に要する手間がかかりすぎるなど問題が多く、このまま続けるかどうか頭を悩ませていました。
導入した機械の製造元社長に相談した際、「EM」が悪臭対策に良いという話を聞き、早速県内にあるEM専門店を訪れました。
そこで、いろんな所でEMが使われ結果を出していることや、臭いも軽減すれば作業も少なく楽になり、且つ出来上がる肥料も良質なものになることを知り、「EM」の導入を決断したのです。
今年に入って自然農法センター関東地区普及所(我孫子)の鈴木副所長の指導を得て、EM活性液とEMボカシ作りを始めました。
水分調整や切り返しのタイミングなど研究の余地がありますが、良い方向に進んでいることは間違いないと思います。
又、「HDM菌※」による分解・消滅型の処理に大変興味を持ち、近いうちに「HDM菌」利用実績のある北海道津別町を視察する予定です。

※「HDM菌」は、有機物を水と炭酸ガス、窒素ガスに分解する好気性発酵分解菌の集合体を言う。主なる微生物は、放線菌・糸状菌・光合成菌。