特集 自然農法とEM
えむえむ関東70号より
=EMネット茨城発=
農薬被害からEMを活用してベビーリーフ栽培
茨城県阪東市 伊藤昭男

伊藤昭男さん
ベビーリーフ(ビート)を収穫中
ベビーリ−フサラダ
 私の住む坂東市は、ほとんどの部分が関東ローム層による赤土なのですが、私の畑は、飯沼川流域の田圃地帯にあり砂地です。保肥能力は少なく、乾燥が激しく、また雨が降れば水捌けが悪く、作物を作るのは手間のかかる土地です。
高校卒業後花卉栽培を始めました。露地の小菊を手始めに、ビニールハウス利用によるキンギョソウ、デルフィニューム、トルコキキョウなどを約40年間栽培を続けました。
肥料は、有機質だけを使いましたが、病虫害になやまされ、動力噴霧器のホースは引きっぱなしで毎日が農薬散布の明け暮れでした。そうこうしているうちに喘息発作を起こすようになり、特に殺虫剤には強い反応を示すようになりました。
なにか無農薬で作れる方法はないものかと考えているとき、種苗商の人から微生物を使った農法があることを聞き講習会などにも出て勉強していました。その団体が内部分裂を起こしてしまい宙に浮いた状態になり、困っている時、別の友人から今までの資材よりも素晴らしいものがあると知らされ、早速飛びつきました。これが「EM」でした。
我孫子や柏の勉強会に行き、EM金曜会でも指導を受けEMに取り組むことになりました。
なかなか結果が出ず試行錯誤の連続でした。「EMは効くまで使え」と比嘉先生は仰いますが、それもままにならず、EMの量がまだまだ少ないとは思いますが使い切れませんでした。
平成13年に健康を害し、次作の準備ができなくて困っている時、友人から「ベビーリーフ(野菜の幼葉を摘み取った野菜のことで、主にレタス類、葉のも野菜やハーブなどを、数種類ミックスしたものでサラダで食べる。現在スーパー、各レストラン等に広まっている)を作って見ないか」と誘ってもらい現在も栽培を続けています。
平成18年6月に「善循環の集い」に参加させてもらった時、比嘉先生の話を聞く機会を得ました。その中で病害虫対策としてEMセラミックスをペースト状にして幹に塗り付けておけば、水を吸い上げる時にEM効果が木全体に行き渡るから、何の心配もなく解決する、とのことでした。塗ってもいいなら直接セラミックスを作物にふりかけてもいいのではないかと思い、ベビーリーフに散布しました。
気温が低下もあるかも知れませんがコナガキスジノミハムシなどの害虫が少なくなりました。
今までEM活性液を散布し続けていたので、セラミックスと合わさったため抗酸化力が少し出てきたのでしょうか。
EMセラミックスは10a当たり5kgといわれていますが、農家心理とすれば20kg散布したらもっともっと抗酸化力が出てくるのではないかと欲張りますが、この考えはどうなのでしょうか。
抗酸化力とは、不可能を可能にする不思議な力です。
ベビーリーフ栽培にとって虫害は作物栽培の成功か否かを分けるものですので、ますますEM密度を上げて抗酸化力を高めていきたいと思います。


耕種概要(100u当たり)

@ 前作終わり次第できるだけ早くトラクター耕起
A 水をかけ残渣の分解を早める
B 約一ヵ月後 次作付け
C 肥料
 EMペレット(池田産業製)5kg
 マグネシウム肥料  3kg
 ニューム粕      3kg
 たまご殻(春秋2回投入)
 EM活性液 百倍培養液散布(原液250mm)
 EMセラミックス活性液に混ぜて散布 500g
D 1週間後ぐらいに播種
E 芽が出揃った時ライフグリーン(土壌改良剤)+EMセラミックス300g散布
F 約1ヶ月後収穫
G 堆肥は春秋の2回投入
 材料は麦茶粕、ダイズの皮、キノコの廃床、豚糞