特集 EMと自然農法
えむえむ関東86号より
=EMネット茨城発=
EM活用による生活環境の改善と食の安心安全のために

                             茨城町さわやかエコの会

涸沼、満潮時には大洗海岸からの
海水が交じる周囲20kmの汽水湖。
シジミの生産量は日本第4位。
貴重なヒヌマイトトンボの生息地
 茨城町、大洗町、鉾田市の2町1市にまたがる涸沼は、茨城県の中央に位置し面積はおよそ9平方キロメートル、淡水海水が混じりあう汽水湖で、そのうち茨城町は約4分の3を占めています。素晴らしい景観を持つ涸沼は、わが郷土の共有の財産であり、心を癒してくれるオアシスでもあります。
 そのような財産でありながら近年汚染が甚だしく多くの流入する中小河川からは、農薬や化学肥料を含んだ排水、畜産物の汚水、合成洗剤や米の研ぎ汁、食用油等家庭からの雑排水が流れ込んでいます。これらは私達が汚染したものであり「天に唾すればわが身にかかる」のたとえの通り、便利さに慣れた生活は環境破壊と云うつけを私たちに与えられたものです。涸沼も例外ではなく汚染されて、多くのものを失いました。
 豊かな心を育む涸沼の自然を子孫に残すためにもEMを活用して、涸沼の浄化と自然にやさしい環境つくりを目標に、平成15年1月に会員108名で「茨城さわやかエコの会」の前身「茨城町EMクラブ」を設立しました。
 主な活動内容は、EMによる米のとぎ汁EM発酵液を作り台所・トイレ・風呂等に使用することにより、身近なところの住環境や河川の汚染防止から始めました。

勉強会
環境教育で中学校環境クラブと
水質調査
EM団子の投入
EM廃油石鹸づくり
EM団子作り作業風景
EM団子ができました
合併浄化槽の二次処理施設を
作りEMの効果をPR
 EM活性液や米糠によるEMボカシづくり、生ごみを堆肥化しそれを使用して農薬や化学肥料を使わない自然農法の勉強会や普及、またEM団子をつくり河川等に投入したり、食用廃油によるEM石鹸づくり等の河川の浄化など自然にやさしい環境作りに努めております。
 具体的な活動内容は、EMに関する知識や実技の習得を図るところから、上部団体である「EMネット茨城」との連携、(
(財)自然農法国際研究開発センターの講師を招いての勉強会。EMみどりの会等周辺のEM同好会とのEM団子づくりや河川への投入、そして情報交換等をしております。
 食用廃油によるEM石鹸づくりは、EM石鹸の希望が多く年間の行事として作っており、町文化協会主催のホットフエアーでも販売し、好評を博しております。要望があれば町内外にも出向き作り方のお手伝いもしております。
 会員は米のとぎ汁EM発酵液やEM活性液を各家庭の台所やトイレから流して環境浄化に取り組んでいます。更に合併浄化槽の会員家庭数箇所に二次処理施設を作り、EMによる浄化の素晴らしさのPRとして活用しております。
 環境教育の一助として、中学校の環境クラブの生徒と一緒になって水質検査や、EM団子を作り公園や中学校の池に投入して水質の浄化を行なっております。中学生から水質検査の結果や多くのお礼の手紙を頂いております。
 他に、ある集落の中を流れる排水路は、雑排水等で以前から汚染され悪臭に悩まされており、ゴルフクラブ、ソフトボールクラブの会員と当クラブの役員が中心となり水質環境の改善を図ることにしました。知識を共有するため、EMに関する説明会、米のとぎ汁EM発酵液作り、その後EM団子を作り、一週間ほど過ぎて真っ白い毛が生えたのを見て驚きの声を上げながら投入。その結果は大分改善され喜ばれております。今後も継続するよう働きかけていきたいと考えております。

 自然農法については、昨年から試験圃場を設けて、サツマイモ、大豆、キビをEM活性液やEMボカシで栽培しています。大豆は納豆や味噌や煮豆を作り味を楽しみました。今年もまた自然農法の普及活動と、技術の向上のため作物作りをしております。
 毎年1回、EMによる無農薬栽培農産物の試食会やお米の食味テスト会を開催し味を楽しんでいます。
 その他県内外の先進地の視察研修や、同時に行楽地を訪ねて会員の親睦を図りながら、知識や技術の向上を図っております。
 農薬や化学肥料の使用は湖沼や河川の水質汚染への影響も大きく、EMボカシやEM活性液(発酵液)の活用による有機農法への切換えを促し、安心安全な農産物を作るためにもどれだけ出来るか分りませんが、少しでも地域の環境改善を図りたいと考えております。
 うれしい事に大涸沼漁協も会員となり、涸沼の水質浄化のため動いております。
 これからも勉強会や講習会を継続して、確かな知識と技術を身につけて自然農法の普及拡大を進めたいと考えております。
 この度、茨城町EMクラブは、念願がかない平成21年4月から「茨城町さわやかエコの会」(会員数177人)と名称を変更いたしました。今後とも宜しくご指導のほどお願い申し上げます。

 最後に、前述したように、参加した中学生からの感想文を沢山頂きました。一部ですが掲載いたします。一読いただければ幸いです。(原文のまま)

○ 涸沼は昔より汚くなってしまったということが分かって残念だったけど、分かってよかった。その分かったことをもとに、これから涸沼をキレイにできる改善方法をたくさん見つけて、人に呼びかけたり、自分で実行してみたいと思った。
○ 川より湖の方が汚れていると思っていたから、予想がはずれてびっくりした。水質調査をしているときに、死んだ魚がういていて、私達の生活に責任を感じた。これからは、生活排水の処理をする時には、そのまま流さずに魚などへの負担が少しでもかからなくなるように工夫して生活したい。
○ できあがったEM団子は、最初とはぜんぜん違くて、最初は、ただのどろだんごだったけど、約一週間後にみたときには、ふわふわとした白カビが生えていて、見た目にはキレイだった。この活動を生かしてゴミを捨てないようにしたいです。
○ 私の知らない涸沼川のすがたをたくさん知ることが出来た。この活動を通して、たくさんの地域の人々のお世話になったことを忘れないようにしたい。                     
EM活用した水田 茨城さわやかエコの会試験圃場
無農薬栽培農産物の試食会で
挨拶する郡司代表
お米の食味テスト会