特集 EMと自然農法
えむえむ関東86号より
=EMネットちば発=
環境保全と人々の健康増進に寄与する農業の取り組み
      
佐原自然農法研究会 篠塚守

筆者
 私が営農する香取市は、千葉県の北東部に位置し、茨城県と接する利根川沿いには水田地帯が広がり、南部は畑作地帯の農業の盛んな地域です。稲作では8月にあきたこまちが収穫できるなど早場米地帯として有利な立地条件にあります。また、我が農作地は日本三神宮のひとつ香取神宮の近くにあり、市街地には江戸時代の面影を残す蔵造り、商家造りの古い街並みが残っています。測量家伊能忠敬の出身地としても有名です。
 

 農業経営は、家族3人の外、正規雇用1人とパート2人で、水田1000a(うち有機469a)と委託栽培350aを経営しております。
 
味噌・麹・餅・かき餅・米粉・米粉パン・
米粉ケーキ・発芽玄米等米の
加工品にも力を入れています。
NPO法人太陽の会の自然体験型環境教育
での田植作業です。
大学生が中心で皆さんほとんどの方が
始めて田んぼに入る人で、ワイワイ、
キャキャと楽しい作業でした。
2009年5月31日
水稲栽培が主で、コシヒカリ・あきたこまち・ミルキークイーン・黒米・千葉もち23号を作り、契約販売の外、宅配販売や直売を行って経営安定化をはかっております。
 1994年会社退職後から、お米の食味と安全性を求めてEMを導入し、その後「佐原自然農法研究会」を作り、現在は7名で活動しています。 ↓
 会全体では水稲4690aのうち、有機JAS認定は300aになろうとしており、会でも、慣行農法から特別栽培、そして有機栽培へと取り組むメンバーが増えてきました。
 これも、生産者・消費者が、環境や食の安全に対する意識を高めてきたからだと思います。

 自然農法の水稲では、毎年雑草との戦いです。農作業の半分以上が雑草取りで、ちゃんと取らないと、稲が草に負けて育たなくなり、収穫量が上がりません。
 雑草対策は深水管理を基本として、水もちがよく、深水(15cmくらい)が維持できる水田では、ヒエの発生はなく他の雑草も稲の生育をじゃまするほどには発生しません。しかし水田が28枚もあるので、水持ちが悪い田もあったり、手が回らず水管理ができずに発生させてしまうこともあります。
 私のところでは、昨年から紙マルチを使うようになり、雑草被害がいくらか緩和されましたが、紙マルチは値段が高く、経費がかさんでしまいます。今後は初期の除草を研究していきたいと思います。
 米は、有機農産物を取り扱う流通事業者、健康食品店、消費者への直売と宅配便での販売を行っています。
 さらに田植えや草取り、収穫等を体験してもらい、意見や要望をお互いに話し合い、信頼関係を築くようにしています。
 今後は、食品加工に力を入れていきたいと考えています。味噌・麹・餅・かき餅・米粉・米粉パン・米粉ケーキ・発芽玄米等を手作りし、安全でおいしい農産物加工品の生産を伸ばしていきたいと思っています。
 現在、農家には後継者が少ないのが心配ですが、もっともっと魅力ある農業にすることが、私たちの使命と考えます。
 これからも、消費者との信頼関係を大切にし、自然と調和のとれたEMを利用した「農」を続けたいと思います。
 
NPO法人太陽の会(会長三木武夫元首相夫人三木睦子氏)は、原爆が落とされた広島で援助活動の中、無残な姿で焼け苦しむ子供たちと「絶対に平和な社会を作り上げる」と約束を交わし、音楽家の北村得夫氏を主催者として設立されました。世界の子供たちの脅威となっている戦争や環境破壊に対して協力して立ち向かっていく勇気を醸成するための子供教育を開始した団体で、今回は自然環境問題を通じた教育の農業体験です。