特集 自然農法とEM  
「えむえむ関東107号」より
=EMネット山梨=
合鴨農法で食味コンクール特別優秀賞
合鴨農法とEM自然農法融合で『夢の米』作りを!!

EMネット山梨峡北支部 高瀬弘樹 


 
 
 
 
  農薬や化学肥料を使って省力化、大量生産できる慣行農法に対し、私の町山梨県北杜市須玉町では、15年以上前から市の補助協力のもと、合鴨を使った農薬を使わない安全安心の米作りの取り組みがされてきました。合鴨が害虫や雑草を食べてくれるので、殺虫剤、除草剤などを一切使用しません。また鴨が動き回って田んぼの有機肥料の泥をかき混ぜて丈夫な稲に成長させてくれます。有機肥料や、若干の化学肥料の配合調整など、毎年親子タッグを組んでの試行錯誤の末「米・食味鑑定コンクール国際大会」にて、特別優秀賞を2年連続受賞する全国トップレベルのお米に成長しました。

 3年前にEMと出合い、それまで思い描いていた合鴨農法と融合した無農薬EM有機肥料100%のお米づくりに挑戦しました。
当初、化学肥料をEM有機肥料に変えて作るだけでよいのではと簡単に思っていましたが間違いでした。
入れる有機物の種類によってお米の成分が変わり、お米の収量や食味が違ってくることを学びました。
特に三要素のチッソ(N)・リンサン(P)・カリ(K)含有量の比率は大事です。Nは葉や茎を大きく成長させる要素で、葉肥えと呼ばれます。与えすぎると茎、枝が柔らかく長く伸びて軟弱になり、病気、害虫被害が多発します。
雨や水により流れるので場合によって追肥が必要です。
Pは根の成長や開花結実に欠かせない要素です。花肥え、実肥えと呼ばれます。雨水に流されないので最初に十分な量を与えておけばよいです。
Kは根や実の発育に欠かせません。特に根の成長を助けるため、根肥えと呼ばれます。カリウムが不足すると、実の味が落ち、病気にかかりやすいといわれます。雨水に流れやすいので、追肥が必要です。
三要素の特徴を基本にして、米糠をベースに菜種油かす、魚粉、鶏糞等、色々な有機物を混ぜ合わせ、毎年データを分析しながら楽しんでEM有機肥料を作っています。
特にEMの抗酸化パワーを最大限に引き出そうと考えています。
また現在、お米の食味評価は成分であるアミロース、蛋白、脂肪酸を機械分析して行われています。この成分バランスがおいしい米作りのカギとなるため、さらに研究していかなければなりません。
今後は一流の米作り職人やEMに詳しい方々と情報交換して、EM有機肥料100%の米作りの輪を広げ、誰もがおいしいと認める安心・安全の『夢の米』を作りたいと思っています。(39歳)






        ≪平成21年〜24年出品 米・食味鑑定コンクール国際大会出品時の食味データ≫
   出品米  水分  蛋白  アミロース 脂肪酸    食味度  味度  食味度+味度
 第11回  有機80%以上  14.3  6.0  21.4  14  89   91  180
 第12回
(猛暑の年)
 
 EM有機100%  14.7   6.3  20.2  22  84    二次非通過
 有機80%以上  14.7  6.6  20.3  23  82    二次非通過
 第13回
 (特別優秀賞)
 EM有機100%  14.6  6.4  20.2  15  85  83.5  168.5
 有機80%以上  14.5  6.0  20.1  13  89  90.3  179.3
 第14回
 (特別優秀賞)
 EM有機100%  14.7  6.4  19  19  86  81.4  167.4
 有機80%以上  13.5  5.6  18.3  12  92  82.1  174.1

    有機肥料の原料と三要素(多少の誤差あり)
   窒素(N)  燐酸(P)  カリ(K)  その他
米糠   2%  4%  1.5%  
 油かす  5%  2%  1%  
 発酵鶏糞  4%  7%   3%  
 魚粉  7  6%  0  
 骨紛  4%  20%  0.5%  
 バットグアノ  0  30%  0  カルシウム40%
 草木灰  0  0  7%  石灰分20%