特集 自然農法とEM  
「えむえむ関東108号」より
=NPO法人EMネット群馬=
EMに出会って8年 安全で美味しい有機栽培に挑戦中
                                                   長谷川 寛


私は伊勢崎市でEMを活用して農業をしている66歳の会社定年組の農業人です。
今から8年前にEMと出会い、それからは、EMは私の農業に欠かせないものになりました。
私の家は代々農家でした。先祖から受け継いだ農地は、定年退職してから私が耕し始めるまでは、近隣の専業農家に使ってもらっていました。私が耕作を始める頃には、長年の慣行農法で土地がやせてしまったものと思います。化学肥料を多用しても、あまり良いものができなくなってきていました。
そこで、伯父でもあるEMネット北関東会長(当時)の宮田宏氏に相談したところ、EM堆肥をすすめられ、宮田氏の養豚場で作られたEMで熟成した豚糞堆肥を使ったのがEMとの出会いでした。

作付けの前にEM堆肥を畑にすきこむだけで、以降はなにも施肥をしなくてもいいものが取れるようになりました。
伊勢崎地区には、宮田氏のEM堆肥を使って有機栽培に取り組む農家が何軒もあります。これらの農家を中心に、EMと有機農業を学ぶ場として「伊勢崎有機農業研究会」が作られています。私は、宮田氏の誘いを受けその場で同会に入会し、本日に至っています。

 
 私の菜園でのEM活用を、以下に紹介します。

   

@ EM活性液作り
特別の培養装置は使わずに、常時50〜80リットルの活性液を作っています。冬の間は自宅庭にあるビニールハウスの中で発酵させています。EMボカシ作りに使うほか、入浴時の全身リンス用など多用途に使っています。

A EMボカシ作り
EMボカシも、完全手作りです。仕込んだEMボカシは、約10kgずつビニール袋に入れ、この袋をドラム缶に詰めて密封します。1本のドラム缶に約100kgがはいります。現在は、ちょうど10本のドラム缶が一杯になっています。出来上がったEMボカシは、EM堆肥と一緒に漉き込んだり、果樹の根本にばら撒いたりして施用しています。また、当法人全体で取り組んでいる被災地支援の活動のために提供しています。
 今年の冬は、これからEMを勉強したいと新規就農を志す若者数名とこのハウスの中で一緒にEMボカシを作りました。
 

 
B 養豚場(泣~ヤタブリーディング)の堆肥置き場
 毎週2トンの堆肥が生産されています。秋と春の土作りの時期は、堆肥置き場は積まれたとたんに車が並ぶなど、大変な人気です。市外からもうわさを聞いて頼みに来る方がいるほどです。混乱を避けるために、この堆肥の流通管理が私に任されました。
 
  
 
 



C 3月現在の私の畑の様子

   

今年(2013年)は、たまねぎとほうれん草を栽培しています。ほうれん草は年末から出荷に追われています。出荷先は、近くのスーパーが中心です。30代でサラリーマンになるまでは、家業である野菜作りをしていました。その頃の経験を生かしています。でも、完全無農薬無化学肥料のほうれん草は、とても強い生命力を感じます。輝いて見えます。
右は、たまねぎです。今年は約20aに作付けしました。この畑は有機認証を受けています。収穫後、有機JASマークをつけて販売します。今は、わが農園の稼ぎ頭です。

  
EMのおかげで、農業の仲間が増えました。また、近くの小学校にEMを使ったプール清掃を指導するなど、社会とのかかわりも深まりました。これからの私の人生を、EMはさらに豊かにしてくれることと思います。