特集 水の浄化活動 
「えむえむ関東103号」より
=EMネットちば=
有機農業者がすすめる水質浄化事業
印旛EMの会 会長 須藤 謙 

印西市印旛地区におけるEMの取り組み

 
 平成15年4月より旧印旛村役場において、行政区域内の印旛沼、師戸川などの公共用水域の環境浄化を目的に、EM活性液製造装置を購入し、旧印旛村住民を対象として、月2回1人4㍑までを限度とし、EM活性液の無料配布を実施してきました。
 平成22年3月の市町村合併によって印西市となり、EM活性液配布事業の継続が行政でできなくなったため、ボランティアを募集しました。
 以前からこの事業の趣旨を理解し、少グループで活動していた「吉高の大桜活性化」及び「家庭環境改善」を目的にEMを利用していた団体により、「印旛EMの会」を平成22年3月に会員16名によって設立し、EM活性液配布事業を継続できることとなりました。
 また、製造と配布にかかる費用および、装置とその備品の譲渡と、倉庫の購入及び電気配線工事等の設備費用は市の補助を受けました。

印旛EMの会によるEM活性液の配布事業
 会設立後、平成22年4月第4月曜日より配布を開始しましたが、当初は以前の配布量を参考にして年間2,700ℓとしました。
 また、事業で発生する原材料費及び電気料金については、被配布者に原価として2㍑あたり100円を負担してもらっています。
 現在は毎月2回第2・4月曜日午前10時から正午まで、会員16名で分担して行っています。
 配布当初に地域情報誌の取材を受け、「エリート情報千葉NT版平成22年5月15日号」に事業活動が掲載されました。
 記事の反響で電話の問い合わせも多数頂き、旧印旛地区以外の市内だけでなく、八千代市、成田市、酒々井町など近隣市町から沢山の方が配布場所を訪れ、平成22年度の配布量は8,900ℓと、当初の予定量を大幅に超えることとなりました。
 なお、初めてEM活性液を使用するという方も多く、使用例を説明しながらの配布となり、会員も良い勉強の場となりました。

今後の事業活動について
 EM活性液の使用は、清掃に使用する事による「家庭環境の改善」、浄化槽への投入、家庭菜園への利用、家畜の餌への投与等、多種多様です。

 また、平成23年7月には、印西市役所において調整池の悪臭防止対策として、EM活性液と共にEM団子を投入することになり、会員全員でEM団子作りをしました。
 EM活性液の利用者は、口コミ等で徐々に増え、配布量は事業開始の平成22年度の8,900ℓから平成23年度は10,500ℓとなり、一人20ℓ以上を希望する大口需要者も増加しているため、EM団子も含め需要に合わせた対応をしていきたいと思います。
 
 一部市町村ではEM活性液の配布をしていますが、任意団体で配布をまかなっているところは「印旛EMの会」だけであると思います。
 地域河川の浄化は、各家庭から出る排水対策が重要であり、元を断つことに最大の効果があると思われます。
  今後とも「印旛EMの会」では、印旛沼流域河川及び水路等の水質浄化のためにEM活性液の配布等の活動を通じ、その普及に努めることにより、地域の環境改善に貢献するため事業を推進していきます。