特集 EMでつなぐ環境活動と福祉
えむえむ関東69号より
=EMネット埼京発=
私たちの福祉作業所支援活動
「環境浄化をすすめる会・大宮」 島田静子
EMボカシを販売している花の食品館
島田静子さん。直売所「花の食品館」
EMボカシ売り場で
 私たち「環境浄化をすすめる会・大宮」は発足して13年目を迎えましたが、EMを使用しての自然農法の普及・環境浄化活動を行ってきました。その中で、福祉作業所の支援活動を続けております。以下にさいたま市にある2つの福祉作業所とのかかわりを紹介致します。

T 春光園うえみずけやき分園
 私たちが会を結成したころ、地域ではEMボカシによる生ごみのリサイクルが広がったので、けやき分園(旧植水福祉作業所)にEMボカシ作りを勧めたところ、「当作業所ではできそうもない」との回答がありました。何とか協力をいただきたいと思い、「できあがったEMボカシの袋詰めだけでも」とお願いしました。作業現場を見せていただくと、重度の障害を持った方たちが多く、袋詰めも大変のようでした。1年ぐらい経って慣れたころ再度ボカシ作りの話をしたところ「やってみましょう」とのこと。良いEMボカシが出来るまで何回か足を運びました。出来たEMボカシの販路については、当初私たちの会で買い取りました。その後、会で斡旋した「花の丘公苑」(ゴミの最終処分場であった場所が公園として生まれ変わったところ)の地元農産物の直売所である「花の食品館」に置いてもらうことになりました。加えて今では地域の人達が直接、作業所を訪れて買い求めるようになりました。担当者が何回か変わりましたが、引き継ぎがきちんと行われ、現在に至っております。

U 鴻沼福祉会あざみ共同作業所
 8年前、あざみ共同作業所が仕事を求めているとの情報があったので、社会福祉協議会を通して、EMボカシ作りの話し合いを持ち、実施することになりました。EMボカシ作りは作業に危険性がなく、障害の程度に応じて誰もが参加することが出来ます。「ボカシ班」は、重度の知的障害や視覚・聴覚障害等の重複障害の仲間で構成されているということです。
出来たEMボカシの販路がやはり大切です。私たちの紹介で地元のお店(酒屋、ガス店、雑貨店、金物屋、スーパー等)においてもらうことにしました。この作業所ではかなりたくさんの量が作れるので、販路の開拓には作業所自ら積極的に取り組み、近隣の園芸店、自治会等にも販売しています。
あざみ共同作業所 ボカシ班。計量と袋詰めの作業
 

 鴻沼福祉会会報より
                
仲間たちの変化 
                                 職員 岡田祐
EMボカシの納品や販売が増えたことで、お客さんと直接触れ合える機会が増えたことは大きな成果でした。お客さんから「ありがとう」といわれ、普段では見られないような素敵な笑顔を見せる仲間が多くなりました。これまでは自分たちが作っているものが何に使われているのか理解できないまま仕事をしていたのだと思います。
お客さんから感謝され、仕事をやる意味を少しずつ理解しながら働く楽しさを感じるようになってきたのではないかと思います。
Hさんはこれまで集中力が続かず作業所に居続ける事が難しい人でした。しかし、たくさん注文が入るようになると、バンザイを繰り返してよろこびを体全体で表現して、真っ先にお客さんのところまで走って行くようになりました。Mさんはこれまでなかなか仕事に気持ちをむけられず作業室に入ることへの抵抗も強い方でした。「帰りの会」にも参加できないことがよくありました。しかし、ボカシのラベル張りの仕事に興味を持ち、これまで以上に作業所にいられるようになりました。最近は「自分自身で仕事を頑張れている」という実感が出来たことで「帰りの会」にもしっかり参加して「○○やりました!」と自信を持っていえるようになってきました
仲間の反応は、EMボカシが売れたことを伝えると、みんなからは大きな歓声があがります。バンザイをする仲間もいれば、大きな拍手をする仲間もいます。言葉はなくても、それぞれの表現の仕方でうれしさを伝えます。いま「ボカシ班」で仲間が一番元気になるのはこの瞬間です。
金額の理解が難しい班の仲間に売り上げが伸びたことをどう実感してもらうか悩みましたが、木崎自治会からの売り上げ40万円をそのままみんなの前に広げてみてもらうことにしました。1万円札の束にみんな驚いた様子でしたが、「みんなが頑張ったからEMボカシが売れて、たくさんお金をもらいました」と何度も説明すると、みんな近くに寄ってきて笑顔になりました。Hさんは、抱きついてきて興奮していました。Mさんは、お札を大事そうにくすぐってよろこびを表現していました。状況がわからない仲間も、班全体のよろこびに満ちた雰囲気を感じてうれしそうでした。そして、8月に仲間たちの労をねぎらうためにみんなでカラオケに行きました。仕事を頑張れば楽しいことが待っている、という経験が出来ました。
今年度は、これまで以上に仲間の可能性を感じることが出来ました。自分たちの作ったものがたくさん売れて、活気のある仕事場になる仲間の変化はとても大きなものでした。障害が重い仲間でも、環境次第では充分に仕事にとりくむことができるということを実感しました。今後も仲間たちといっしょに、がんばっていきたいと思います。(抜粋)
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