特集 ボランティアとEM  
「えむえむ関東97号」より
=EMネット山梨=
武田神社の堀の浄化
EM共生ネットワーク山梨峡中
                    代 表   剣 持 武 範


 はじめに

   EM共生ネットワーク山梨峡中支部のみなさん

 山梨県内での「峡中」とは、甲府市と西隣の甲斐市等の地域を指す総称であり、当会は4年前に立ち上げ1年の準備会で検討する中で発足した会である。 
 正しいEMの普及活動・会員相互の情報交換・EMに関する指導員等の人材育成・EM技術の向上を目指ことを活動目標にしている。
 活動内容としては,EM活用による環境改善、健康、教育、家庭菜園、自然農法など普及実践拡充を図ることである。具体的には、EM基礎講座、EM技術活用の実習、EMによる河川や池の水質浄化、EM自然農法と菜園、EMによるプールの清掃、研修会の実施等である。定例会は2カ月ごとに開催してその内容はEM基礎講座と情報交換及び質疑である。現状は14名の会員で組織している。

これまでの活動内容
 峡中の会としての実施してきた活動は、①定例会とその中での研修、②基礎講座の開催を年1回、③会員による小学校のプール浄化活動の取り組み、④EM普及活動のための講座(公民館活動として昨年は5回、本年は5回の実施)⑤武田神社の堀の浄化活動、⑥有機栽培の研修、⑦外部研修会への参加、その他である。

具体的活動内容の一例について
①EM基礎講座の開催
 平成23年度は4月2日13:30~16:30、甲府市総合市民会館でおこなった。 
 講座内容は、米のとぎ汁EM発酵液の作り方とその活用について、EMボカシの作り方、EM生ごみ堆肥の作り方、菜園の土づくりと里芋の栽培方法について、EMについての解説等、約40名の参加者があった。講師は2名の会員と外部講師として、共生ネットワーク山梨の鮫谷事務局長に依頼した。
②小学校のプール浄化活動
 4年前より3名の会員が取り組んで来たもので、年2回のEM活性液投入を学校と連携を持ちつつ実施している。今後は多くの学校に働きかけていく準備をしている。
③EM普及活動のための講座
 公民館活動の一環として実施している。昨年は「別表1」のとおり、テーマ「家庭で出来る環境浄化の研修」として平成22年10月から5回シリーズで行なった。

別表1 家庭で出来る環境浄化の研修(5回)  
EM共生ネットワーク山梨峡中
暮らしを助ける微生物は発酵食品に必要なものであり、自然界にたくさんいる微生物の中には、人間を助けるものも多く身近な存在であるといえます。また、環境を良くし、動植物の細胞を活性化する働きを持つ酵素や生成物を作り出す微生物もいます。人間にも自然環境にも役立つ複数の微生物を組み合わせたものが、EM(有用微生物群)なのです。
 ★ 難しい理論からではなく、身近で簡単に出来る環境浄化の研修です。
 ★期間は10月~12月  時間は18時55分~20時30分です。
 回  研   修   内   容  受講者が準備するもの
 1  ○ 米のとぎ汁発酵液の作り方と活用
そのまま流すと河川や海の汚染の原因となっている米のとぎ汁がEMによって環境を浄化する資材となります。とぎ汁の栄養でEMが活性化されて洗濯や掃除、臭い消しのほか、畑での栽培(プランター栽培)に利用できます。
 米のとぎ汁を2リットル
(新鮮なもの)をペットボトルに入れて、オオサジ3杯の砂糖を入れて持参してください。
 2  ○ EMボカシの作り方
EM生ごみ堆肥を作るときに必要なEMボカシ(Ⅰ型)を作ります。EM1と糖蜜、それにもみ殻と米ぬかその他を混ぜ合わせ一ヶ月以上の発酵を経て作り上げます。EMボカシ(Ⅱ型)は畑の土壌改良に使います。
 密閉できるビニール袋(買い物用ビニール袋)1枚を持参してください。
 3  ○ EM生ごみ堆肥の作り方
家庭から出る生ごみとEMボカシを混合し、EM生ごみ堆肥を作ります。「あまった食べ物をさらなるエネルギーとして自然に戻す」という気持ちで、生ごみ処理用バケツで発酵させた後有機肥料として利用します。
 専用の生ごみ処理用バケツとバケツに入れる少量の生ごみを持参してください。(ある方のみです)
 4  ○ EM活性液、EM希釈液、EMパウダーについて
EM活性液、EM希釈液の作り方とその利用法、菜園EMパウダーの利用法について、作物の栽培方法(ジャガイモの場合)について報告。
 ペットボトル500mlの空を1本持参してください。
 5  ○ EM石鹸の作り方
天ぷらなどの廃油は、苛性ソーダを加えて反応させると廃油石鹸として再利用できます。これに米のとぎ汁発酵液やEMパウダーを混ぜると、洗濯だけでなく肌にも優しい良質な[EM廃油石鹸」として利用できます。
 空の牛乳パックを一つ持参してください。
  ★講 師 : EM共生ネットワーク山梨峡中  青木のり子、剣持武範

   
 
            EM団子づくり風景
 
   2010.7.19武田神社堀にEM団子とEM活性液を投入
 
 
           2010.7.19投入風景
④ 武田神社の堀の浄化活動
 EMの効果ある普及活動の一つとして、我々の会で出した結論は観光山梨の中心であり最も知られている武田神社にある池の浄化が良いのではないかとなった。早速このことを神社に申し入れしたところ「一業者が以前から機材を設置している」とのことで現場を拝見したところ、入れただけで特にその後は何もしていない状況である。我々の取り組む条件としては現状の機材を引き上げて頂くことを神社側に伝えた。実現までに1年ほどかかったが、ちょうどその時期に奈良県で東大寺の池浄化の発表があり、3名の会員が参加した。
 平成22年6月より、武田神社の堀浄化活動の開始となった。6月19日に武田神社にてEM団子づくりを実施し、7月19日の海の日「全国一斉EM投入」にあわせ投入した。平成22年8月から11月までと平成23年3月の5回、月300㍑ルのEM活性液を投入してきた。今年は4月からは毎月1tのEM活性液を投入する。
 平成23年4月23日には、昨年実施したようにEM団子づくりを行った。昨年の反省により梅雨時を避けてのEM団子作りを計画し、ボランティアを募集し総勢65名で5千個の団子を作った。5月21日にはEM団子を投入する予定である。
 これまで、EM活性液は会員が交代で作成し搬入してきたが、4月からは武田神社に1t作成出来るタンクが借用でき設置することができた。
 ボランティアについては、募集はしたものの、実際には地域の育成会長が会員であることから育成会関係者の参加、もう一つは会員が知人を誘って参加して頂いた参加であり、その他はなかなか期待しても難しいことが解った。
 今年も7月18日(海の日)には、1tのEM活性液投入を行う。
 本年の4月には投入した池と隣の池との差が肉眼でとらえることができ始めた。水質検査はこれまでも実施してきたが継続し結果を発表する予定である。