特集 市民活動
「えむえむ関東105号」より
=EMネット群馬=
EMプリン石けんと私
高橋 洋子


 
 
 
 
「あのさ~、EMプリン石けん作りするんだけど、作る?」
一昨年の秋、友人から入った一本の電話。EM!? 同期会で、お泊まりする軽井沢のコテージで、みんなで作ろうという話だった。以前に勤めていた学校のプールでのEMで、その絶大な効果は知っていた。「うん!作る!」の二つ返事。
しかし、いったいどんな物なのか多少の疑問を持ちながら出かけると、その日、作る道具と材料の一切合切(ひと月以上寝かせた天然アルコールに廃油・苛性ソーダ・セラミックパウダー・EMW・ごはん・砂糖・塩・糠・じょうろ・計量カップ・バケツetc.と心意気。)を携えて、友は埼玉からやって来てくれた。それらの労もいとわずに嬉しそうな顔をして。

 
二週間後、まず食器洗いに使い「普通に使えるんだ!」という感触を持つ(それまでは、懐疑的な心おお有りだった。)に至る。むしろ、シンクはピッカピカ。流し台、ガス台を拭くとすごく汚れが落ちる。ついでに、換気扇、あのしつこい汚れがあっさり落ちる。そして、その石けん水は流れ流れて、排水溝をきれいにし、地球にも優しいとある。これはすごい!! それで、人を訪ねる時の手土産代わりに周りの人に配っていたところ、しばらくして「いいね!あれ!」「また、欲しい!」「作り方教えて!」「売って!」との声。そうして、昨年春に第一号利用者となった人と石けん作りをした。彼女は我が社(?)の広報担当になった。8月末に試供品を、私がよく出入りしている福祉関係のペンションに持って行った。

そのペンションは、元々障害者とその家族向けに建てられたものであったが、フリーマーケット・コンサート・ランチカフェなどを通じて、松井田の地に根ざし、今では地域コミュニティーの発信地になっている所である。ペンションのオーナー、出入りしている人達の懐の深さにも大いに恩恵を受け、9、10月のふた月で石けんを100個売り上げてしまった。反響の大きさにビックリだった。 
 

私自身、作り方を始め使い方も、まだ充分には把握できてはいない。作る時のEMの発酵具合・気温・油の状態などで、随分とその過程・出来上がりの形状に違いがあるからだ。気温が低い時は、なかなか発酵してくれずバケツやペットボトルを抱え、お風呂場やストーブ、日向を求めウロウロしている。また使い方では、プラスチックの物にはどうしても、油っぽさが残ってしまう。洗濯にも使えるとあるが、どのくらいの分量で使えば洗濯機で利用できるのか、研究の余地は残っている。また昨年秋、娘が結婚し、そのコーデネーターに差し上げたところ、化粧品の汚れがとてもよく落ちると喜ばれ、ご注文を多数いただいた。洗車によかった。釣り道具の手入れによかった。口紅、エリの汚れによかったなど、使い方も利用される方々からの声がたくさん頂けるのが嬉しい。
 
今年7月には、学校のPTA活動の一環として石けん作りをさせていただいた。取り扱ってくれるところも二カ所になった。EMプリン石けん、それはだだの石けんの一つにすぎない。しかし、今では人が集まる流れを生み出し、人がつながるアイテムになり得てい
ると思う。それは、私が、この石けんを手にした時に感じた直感そのものだった。こうして、この二年ほどの私の人生は、EMプリン石けんによって、随分と変化した。細々でも自分のライフワークを見つけ、それに関わってくれる人々の優しい輪・和の広がりが、私を生き生きとさせてくれている。地球に優しいを合い言葉に、好きだったリメイク手芸とともに物を無駄にしない私の生き方になった。そして今、私は嬉しそうな顔をしてEMのバケツをかき混ぜている。

私のEMプリン石けんのつくり方 
 
<材 料>
廃油 1350ml      
EMW 約100ml 
苛性ソーダ 225g   
セラミックパウダー. 10g    
天然アルコール
  (.1晩くみ置きした水1㍑、ご飯180~200g、
  EMW25~30ml を混ぜペットボトルに密閉して
  1ヶ月以上置き発酵させる。 ひと月おいても、ごは んはドロドロ状態です。)
米のとぎ汁EM発酵液 6㍑(使うのは5㍑)

   
<道 具>

  ポリバケツ….10リットル蓋付き
  ペットボトル(2リットル)….3本
  じょうご、ゴム手袋、プラスチックのご飯用ヘ
   ラ(大きめの方が使いよい)

  
<作り方>

1.ゴム手袋をし、風通しのよい所で、バケツに天然 アルコール、苛性ソーダ225g、セラミックパウダー10gを入れ、5分位、苛性ソーダが溶けるまでヘラでよくかき混ぜる。発熱し、薄い煙が出る。(要注意!)

 
2.1に廃油1350mlを入れ、15分かき混ぜる。4~5日毎日よく混ぜる。(写真のようにドロドロ>味噌状 >おから状>ポロポロとなる。ただし、気温etcにより形状は一様ではない。)

  
3.米のとぎ汁発酵液を作る
2リットルの米のとぎ汁に砂糖20g(大さじ2杯)、塩 (天然の物)ひとつまみ、EMW 20ml(キャップ3杯)を 3本作る。それをお風呂の残り湯に2~3晩くらい 浸け、発酵させる。

 
4.米のとぎ汁発酵液が充分に発酵しているのを確かめバケツに少しずつ5㍑入れ、よく混ぜる (冬場は温めた方が溶けやすい)。

 
5.4~5日毎日木の棒等で混ぜる。発酵して気泡が出て来る。季節により、白い物が溶けずに残った時は、お風呂などにつけ暖めると溶ける。気泡が出なくなったら、出来上がり。⇒容器に移す