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■畑作におけるEMボカシの施用方法について
(表層施用と雑草対策の試み)
はじめに
畑作におけるEMボカシの施用方法と雑草抑制対策について、これまでの情報をまとめてみました。畑作での問題点は病虫害対策と雑草対策が大きなウェートを占めています。
自然の仕組みから見ますと、雑草は土を肥沃にするために(有機物の補給と土の被覆)
発生し、病害虫は作物や土の不調和を表すシグナルと考えられます。従って、その自然の仕組みをうまく活用した技術でなければ、作物や土の健康にも役立つものにはなりません。
今回は、EMボカシの施用方法に合わせて雑草対策の効果を試みる方法を以下に記します。家庭菜園や小規模面積で試してみてはいかがでしょうか。
EMボカシの特性
・化学性
材料によって違いが出ますが、米ぬか:油かす:魚かすの重量割合が、3:1:1の場合は、およそ「窒素4.5%」「炭素44.5%」「炭素率10」(炭素率が低いほど分解が早い。モミガラは50以上)で肥効は地温25℃前後で施用後10〜14日以降に出てきます。
・生物性
密閉容器に仕込み後21日目の微生物の数を調べてみますと、乳酸菌が108 /g以上、酵母が108 /g以上で乳酸菌、酵母が優先しています。なお、仕込み2ヶ月を過ぎますと序々
に減少していきますが、微生物の代謝物(有機酸その他の活性物質)が増加していきます。
EMボカシU型の基本的な使い方
EMボカシのU型は、窒素成分量が高いので、過剰施用の害、すなわち病虫害の発生や未消化窒素の蓄積による品質低下の危険性があり、作物の種類や土壌の肥沃度にもよるが、1回の施用量は250kg/10a以下が望ましく、また、低温期は作付け前約1ヶ月前、高温期でも2週間前に施用することが良いでしょう。
EMボカシU型の施用方法
施用方法には、作土の全層施用、畝間への溝施用、作土の表層施用などがあります。土壌の理想をいえば、表層には未熟有機物が、全層には腐食が豊富に存在する状況です。
EMボカシも未熟有機物の範疇ですので、土壌の撹拌による生物相の攪乱や団粒崩壊を考えると表層への施用が望ましいが作土全体との腐食の蓄積に時間がかかるなど問題点も存在します。また、作土全体の地力を早く向上させるには全層への堆肥や有機物の補給も必要です。従って、土壌の理想をふまえ、それぞれの土壌や作物に合わせた施用方法を工夫する必要があります。
EMボカシの施用位置の影響
EMボカシの施用にあたっては、通常は全面、全層施用されることが多いと思います。
(財)自然農法国際研究開発センターの試験では、EMボカシの投入量を一定にして全層施用、表層施用、溝施用の違いによるハクサイとキャベツの収量性を調べたところ、表層施用や溝施用は全層施用に比べて数%〜10%低くなる傾向ですが、土壌が肥沃になってくれば、表層施用でも十分な収量が得られることが可能と思われます。
雑草抑制とボカシの表層施用
(財)自然農法国際研究開発センターの試験研究では、EMボカシU型を土壌表層のごく局所に集中施用することで、「土膜」が形成され、比較的発芽深度の浅い雑草の発芽が抑制された結果が得られています。(図1)
方法
@ EMボカシU型を500kg/10a土壌表面に撒き(雑草が生えている場合は刈り倒してから。小さい場合はその上から)、表層1cm程度の土と浅く撹拌する。(畑の畝の上や作条の部分に限れば半分の250kg/10aで可能。また、他の有機物を混合してEMボカシの量を減らすことも可能です。EM活性液が豊富に使える場合は、生の有機物を使用し、EM活性液をたっぷりかけて土壌でボカシ化することも可能)
A その後EM1の500〜1,000培希釈液をたっぷり散布する。
B 7日から10日ぐらいおくと、表面に白い糸状菌が発生し後に土の膜がでる。(白い菌が見えないときもあります)
C 土膜ができていることを確認してから、その土膜を農具や管理機で細かく砕きながら浅く表面を撹拌する。
D その後2〜3日してから、種まきや植え付けを行う。
*これらの作業間隔は低温期では長くとる必要があります。上記は25℃前後の高温期の場合です。
EMボカシ表層施用の特徴
・利点として
@ 施用労力の軽減。
A 圃場生態系や土壌構造の破壊が少ない。
B 雑草の抑制。
C 施用時期の幅が広い。
D 表層土壌の団粒化の促進。
など。
欠点として
@ 下層土壌の改良や腐植の蓄積に時間が要する。
A 投入量に比べて施肥効果が小さい。
など。
EMボカシ表層施用量の違いが雑草発生に及ぼす影響
((財)自然農法国際研究開発センター農業試験場)
定植前のEMボカシ施用位置の違いがハクサイのナンプ病罹病株率に
及ぼす影響((財)自然農法国際研究開発センター農業試験場)
引用文献 EM活用技術事例集2002「ボカシ利用の新しい試み」(財)自然農法国際研究開発センター 農業試験場 研究部
文責者 伊藤 明雄
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