Q&A

■EMボカシがもつ養分的特徴

はじめに
作物は本来、地力を基本として栽培するのが理想です。しかし、地力だけでは作物栽培に必要な養分を賄えないことも多く、そのような場合、土づくりに活用しているEMボカシの施用は不足した養分を補う方法としても効果的です。EMボカシの施用方法として、直接圃場に施用する方法と、ボカシを一晩水に浸した浸出液を散布する方法があります。
(財)自然農法国際研究開発センターでの「EMボカシがもつ養分的特徴」の実験結果(EM活用技術事例集2003に既報)を以下にまとめてみましたので、参考にして下さい。

1. EMボカシを圃場に施用した時に放出される窒素の割合と放出期間
2.
1) 土壌の場合
EMボカシに含まれる窒素のほとんどは、タンパク質などの有機態の窒素です。ボカシを畑土壌に施用するとボカシ中の有機態窒素は通常、微生物によりまずアンモニアという無機態の窒素になり、さらに微生物の働きによって硝酸態の窒素へと変化します。実験では(図1)、ボカシを施用して15日目まではアンモニア態窒素だけが存在し、20日目にアンモニアの減少と硝酸態窒素の増加が見られるようになりました。

多くの作物にとってアンモニア態窒素は、根を傷めるなどの有害な働きをします。
ボカシを土壌に施用した後は一定期間(20日間程度)おいてから、播種や定植を行うのが良いでしょう。
窒素の放出期間は施用後30日程度で、放出される窒素の割合は60%(28℃の条件で)程度、15℃では20%という実験結果が出ています。従って、施用されたボカシは地温が高まるにつれて放出量も高まると言えます。また、放出期間が短いので、ボカシの養分的能力だけに頼らず、EM液の散布などによる微生物相の改善や保肥能力を高めるなどの育土にも力を入れることが大切です。
なお、EMボカシの一般的施用量は10アール当たり200kg(窒素成分量が5kgの場合)以下を目処にしています。

2) 水田土壌の場合
水田土壌の場合、酸素が少ない湛水条件のため、ボカシはアンモニア態窒素の形で稲に利用されます。窒素の放出期間は施用後40日程度で、放出される窒素の割合は45%(25℃の条件で)程度、15℃では25%という実験結果が出ています。
田植え前後に施用したボカシの養分供給力は、最高分けつ期頃までの約40日までにほぼ終了していると考えます。

3.  EMボカシを水で浸出した時にどのくらいの養分が溶け出すか

1) 希釈倍率は60倍以上で
実験(表1)では、窒素、リン、カリのいずれの抽出率も水の希釈倍率が60〜100倍の時、最高値を示しています。従って、EMボカシを60倍以上の水で浸出すれば効率がよいと言えます。
2) 浸出時間は3時間以上で
実験(図2)では、3時間の時が抽出率が最高値を示しています。EMボカシの浸出液は少なくとも3時間以上ボカシを水に浸すことが、最大限の養分を抽出できると言えます。

水の稀釈倍率
ボカシの名前
20
40
60
80
100
籾殻入り型 23.8 33.0 24.0 30.2 30.1
カニ殻入り型 20.9 21.3 21.5 23.5 24.7
米ヌカ主体A 22.9 27.3 26.0 40.0 30.3
表1:ボカシを水で侵出した時の窒素の抽出率(%)


引用文献 「EM活用技術事例集2003」(財)自然農法国際研究開発センター 研究部 
「EMボカシがもつ養分的特徴」より
                           文責者 伊藤 明雄


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